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アスベスト労災不支給処分取消訴訟 勝訴判決(29.7.19判決・9.10追記)

平成29年7月19日(昨日)、

アスベスト疾患で亡くなった辻野久男さんの遺族への労災不支給決定を取り消す、大阪地裁の勝訴判決を受けました。

辻野さんは、最高裁で勝訴した泉南アスベスト訴訟の原告であり、私達、大阪アスベスト弁護団で取り組んできた事件です。

 食物誤嚥が契機となり、医師による迅速な蘇生措置にもかかわらず、低酸素脳症で死亡したという経過があるため、

争点は、死亡に関し、アスベスト疾患(び漫性胸膜肥厚)、食物の誤嚥、腎不全のうち、アスベスト疾患の影響が大きいと言えるか、

であり、裁判所は、私達の主張をほぼ全て認めてくれました。

 

(詳報)平成29年9月10日

石綿紡織工場の元労働者で、石綿疾患であるび慢性胸膜肥厚で労災認定を受けていた方が、入院中に少量の食べ物の誤嚥を契機として亡くなった事案について、平成29年7月19日、大阪地方裁判所は、石綿ばく露による労災であると認め、労働基準監督署の行った遺族年金等の不支給処分を取り消す判決を下しました(国は控訴せず、確定)。

この方は、泉南アスベスト訴訟の原告でもあり、大阪アスベスト弁護団で私が担当して長らくサポートしてきた人です。石綿疾患の進行により、重度の肺機能障害となり、衰弱していたため、健康な人なら自力で吐き出せる程度の少量の誤嚥にもかかわらず、かつ、直ちに近くにいた医師から蘇生措置を受けたにもかかわらず、低酸素脳症となり、意識が戻らずに亡くなったことから、石綿疾患で肺機能が低下し、衰弱していたことが原因であることは明らかです。

 しかし、労働基準監督署は、偶然の事故であり、仮に病気の影響があったとしても、持病である腎不全の影響が大きいとの理由で、労災を認めませんでしたので、どうしても納得できない遺族は、弁護団に依頼し、労災不支給決定の取消しを求める行政訴訟を提起しました。

 原告側は、重篤な石綿疾患がなければ、誤嚥することはなく、誤嚥したとしても亡くなることはなかったし、腎不全が死亡に与えた影響は小さいと主張し、主治医を含む複数の医師の先生方のご協力を受け、丁寧に立証したところ、裁判所は、原告側の主張をほぼ認めました。

労災認定を受けていた石綿疾患やじん肺の患者が、誤嚥を契機に亡くなるケースは決して稀ではありませんので、本件判決を契機として、同様の方の救済が進むよう、期待します。

本判決は、判例雑誌に掲載されます。

 

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