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詐欺破産事案での免責取消の決定

破産者Aの弟である債権者(連帯保証人)Xが、Aの詐欺破産によって被害を受けた事案について、Xの依頼を受けて、珍しい「免責取消の決定」を得たので報告します。プライバシー保護の点から数字を少し変え、事案を単純化しています。

Aは、5億円の負債を抱える一方、事業収入も多く、頻繁に家族で海外旅行に行き、広大な自宅に住み、高級車に乗るなど、派手な生活を送っていました。Aは、Xを含む兄弟姉妹に内密に、母から1000万円を取得していました。

Aの弟であるXは、Aの強い依頼を受け、Aの複数の債務の1つの連帯保証人になっていましたが、Aは、母の死後、X及び他の債権者に相談なく、突然、自己破産を申立て、免責を受け、Xがどう対応してよいか分からず、迷っているうちに、免責が確定しました。Xは、Aの債権者から連帯保証人として返済を求められ、1500万円を支払いましたが、Aが免責を受けたため、Aに求償することができなくなりました。

Xは、派手な生活を送っていたAが何故、破産したのか疑問でならず、弁護士(私)に相談しつつ、調査した結果、「Aの自宅と自家用車は、Aの妻であるB名義になっており、B名義で多額の株取引が行われていること、Aが母の生前に母名義の定期預金を解約して1000万円を取得し、これを株取引の原資の一部にしていた疑い」が生じました。

そこで、私とXは協議を重ねた結果、私は、Xの代理人として、A及びBに対する損害賠償請求訴訟及びAの免責取消の申立てを行い、損害賠償請求事件の裁判の過程で、調査嘱託申立て及び弁護士法23条照会を繰り返し行った結果、B名義の証券口座で5000万円の株式が取得されており、その原資は、Aの事業収入が入金されていた銀行口座の預金の一部と母から取得した1000万円の一部であること、B名義の自動車の購入代金800万円の原資も同様であったことが判明しました。

Aは、母からの資金の取得、上記B名義の株式の存在、B名義の自家用車購入の原資が母からの資金と自分の資金であることなどを秘匿して破産申立をし、破産管財人及び裁判所に気付かれることのないまま、免責を受けていました。

私達は、上記調査結果を免責取消事件の裁判に次々と証拠として提出したところ、裁判所は、1年以上の審理を経て、上記株式及び自動車はAに帰属するか、少なくともABの共有であるのに、Aは破産管財人及び裁判所に報告しなかったとして、Aの免責を取り消す旨の決定をしました。

成功の要因は、Xが粘り強く調査をしたことと、損害賠償請求事件と免責取消の申立てという2つの裁判を並行して行い、損害賠償請求事件の過程で得た証拠を、免責取消事件の証拠として提出したことです。

 

 

 

 

 

 

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