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刑事告訴の困難化 その1

1 一般の弁護士は、告訴状を作成して警察・検察に受理させることが得意ではありません。 弁護士が当事者として参加する裁判と異なり、告訴が受理された後の捜査と起訴・不起訴の判断は、秘密に行われるため(捜査の密行性)、 一般の弁護士が関与しない世界であり、ブラックボックスとなっているためです。 言い換えると、捜査機関がどの程度の証拠があれば起訴できると判断するのかを知らないため、どの程度の証拠を集めて告訴すれば、受理してくれるかが分からないためです。                                                                        2 私は、検察時代、警察を経由しないで独自に事件を捜査して立件したり(独自捜査と言います)、告訴受理したりしていた関係で、 どの程度の証拠を集めて告訴すれば、受理されるのかということが分かってるため、 これまで、自分が告訴代理人として告訴した案件で、受理されなかったということは殆どありません(平成29年までは、例外は1件だけ)。 しかしながら、平成22年に発生した大阪地検特捜部主任検事改ざん事件の頃から、検察の捜査内容が裁判所からより批判的に見られるようになり、 起訴のハードルが上がったことと、取調べの可視化の進展により、自白の獲得が困難化したため、 告訴受理のハードルが大幅に高くなり、警察・検察の告訴受理が大きく抑制的になっています。                                                                       3 端的に言えば、被疑者が否認を続けても、有罪にできるだけの客観証拠が十分なければ、犯罪を犯した可能性が高いと考えられても、 起訴しないため、そのような証拠を告訴人の側で確保している事案でなければ、告訴を受理しない、という取扱いがなされるようになりました。 捜査権限を持たない一般人に対し、そのような証拠を要求するのは矛盾であり、捜査機関の存在意義が問われる事態ですが、実情です。                                                                                                                                            4 近時、被疑者の人権と共に、犯罪被害者保護の必要性が強調され、犯罪被害者を支援する仕組みが整備されてきました。 そのことは自体は良いことですが、反面として、幸いにして、証拠が十分である事件の被害者は、手厚く保護される一方、実際に犯罪被害に遭っていても、それを証明する証拠が十分でない不幸な被害者が、入口で追い返され、捜査自体をして貰えない、という実態があります。 このことは、マスコミ等で取り上げられていませんが、重大問題であり、いずれ社会問題化すると考えています。 今後の記事で、より具体的に説明します。
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