高度の専門性と調査能力を活かした社会的正義の実現 医療事故・犯罪被害者支援・刑事弁護・コンプライアンス・相続・各種民事事件
HOME > お知らせ > 新着情報 > 平成30年9月20日 建設アスベスト訴訟 大阪高裁判決 画期的勝訴

平成30年9月20日 建設アスベスト訴訟 大阪高裁判決 画期的勝訴

雑誌に投稿した原稿を転載しています。                                                     建設アスベスト訴訟大阪高裁判決(大阪ルート)を受けて  大阪アスベスト弁護団 八木倫夫                           1 平成30年9月20日の判決言渡し。私は、江口とし子裁判長の主文の朗読が進むにつれ、敗訴した原告に申し訳ないと思いつつ、「これで助かった」と思った。国に勝つのは当然として、一人親方と企業責任の問題が克服できなければ、問題は解決しない。最高裁での逆転は不可能に近いので、高裁で負ければ後がない。蓋を開けてみれば、被害者19名中、国関係で一人親方を含む被害者17名が勝訴し、企業関係では、被害者12名が企業8社に勝訴していた。認容額も他の建設アスベスト訴訟判決を大幅アップし、文字通り画期的だった。平成24年に同じ江口裁判長が横浜地裁で神奈川原告を全面敗訴させたことを思えば、劇的でもあった。                                                          2 私達は、泉南アスベスト訴訟の控訴審を戦っていた平成23年、全国の弁護団・支援団体と連携して建設アスベスト訴訟を提訴した。わが弁護団は、平成18年に泉南アスベスト訴訟を提起して以来、多数のアスベスト訴訟に勝訴してきたアスベスト事案の専門集団である。しかし、私は、当初、建設での勝訴は無理と考えていた。裁判所が頑なに労働者性を認めない一人親方問題と、加害企業の特定という難題があったからだ。後者は、多数の現場で多数の石綿建材から発生する粉じんにばく露するため、病気発症の原因となった建材の製造企業を特定することが不可能に近いという、建設特有の問題であり、従来の法理論では対応できない。                                                         3 この6年間、多くの原告の命が失われる中、原告は、被害を訴え続け、弁護士は、被害者等のヒアリングや、設計図書の収集等に膨大な時間を費やして建設現場の実態を立証し、適合する理論を構築する作業を続け、支援団体は多大なエネルギーを注いで支え続けた。それらの全てが裁判官の理性と心に届いたと思っている。これから最高裁が東京高裁と大阪高裁から上がった事件を審理し、判断を統一すると予想される。最高裁でも勝訴し、最終解決を目指したい。
PAGE TOP