平成２６年７月１７日，最高裁継続中の泉南アスベスト国賠訴訟の１陣，２陣ともに，上告受理申立が認められ，同年９月４日，両方の弁論が行われることになりました。
上告受理申立が認められるとは，平たく言えば，上告受理申立が認められた争点について，最高裁が審理の対象とすることを意味し，多くの場合，申立人の主張の方向で，原判決（高裁判決）が変更されます。
今回は，１陣訴訟と２陣訴訟について，同時に決定がなされ，被告（国）が全面勝訴していた１陣訴訟は，原告（被害者）の上告受理申立てが認められ，逆に，被害者（原告）が全面勝訴していた２陣訴訟は，国の上告受理申立が認められました。
ですから，最終的に最高裁がどちらの主張を採用するのかは分かりませんが，２陣判決は，従来の最高裁判決の違法性の判断枠組みを踏襲していること，事実認定も，２陣判決の方が格段に優れていること，１陣判決に関して，違法性の判断枠組みに関する上告受理申立が認められたことから，２陣判決の方向で判断が統一されるものと予想しています。
